木苺の棘
「すごいね

 お前の夢」

高校生のアリスは
瞳を輝かせて言う。

『私の夢は
 看護師さんか
 介護師さん
 
 医療に携わる
 仕事がしたくて・・・』

『すごいね
 
 お前の夢』

八重の死に

苦しくて全てを放棄して
逃げ出した、あの日・・・

自らの棘に雁字搦めに
縛られ、身動きひとつ
できずに

自分の実(身)を容赦なく
切り刻んだ日々

辛い時は流れ、過ぎた。
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