自伝
何時になくはじけた。沢山笑って泣いて

「ねえ綾ちゃん夜バイトしない?うちの店女の子足らなくてさ、綾ちゃんなら絶対出来るよ!」


「店ってどんな?やらしいの嫌ですよ(笑)」


カウンターにいた客の1人でこの店のオーナーと仲良しの人らしい。


「全然大丈夫。店はこのビルの裏にあるんだ、普通のクラブだよ!良かったら一度顔出してよ」


「自分の店なんですか?」


「いや、俺の店じゃないけど俺はそこでバーテンやってるんだ」


「そうなんですか(笑)じゃあ、今度遊びに行きますね!」


「伊藤さん、俺の大事なお客様をスカウトしないで下さいよぉ」


「悟史さんも伊藤さんと仲良いいんだ」


「そうですよ!伊藤さんに歌を教わったしね」


「伊藤さんて何者?」

「俺?俺は昔の売れなかった歌手だよ」


ぷっ…


「笑ってるよ」


そうして、店の名刺をくれ、伊藤さんは自分の店へ戻って行った。


「今何時?」


「もう直ぐ、4時半だよ」


「何時までやってるの?ここ」


「店は5時までだよ。もう直ぐ終わるから、飯でも食べていく?」


「大丈夫なの?」


「何で?」


「だって、他のお得意様待ってるんじゃない?」


「あぁ別に大丈夫だよ。店終わってから客とは出かけないし。」


「私は?」


「(笑)そっかぁ
なんか、ずっと前からの知り合い気分だったよ!」


なんか、ちょっと嬉しいけどね。
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