自伝
悟史さんの悪い所を一生懸命探して


離婚をする理由を見つけようとしてる


自分に気が付いた


「悟史さん…私達別れよう」


「やだよ…俺…今度は絶対頑張るから」


「破産届けは出した方がいいよ、保証人が私だから離婚すれば関係ないでしょ」


「綾がいなくなるなんて考えられないよ…」


「もう、これしか方法が見つからないの」


「…」


「籍を抜くだけだよ、後は今まで通り一緒に暮らそう」


「絶対?」


「うん…」


まるで、駄々っ子をする子供に言い聞かせるように


悟史さんを説得した

私自身この時はまだ、悟史さんと離れて生きて行く事なんて

想像もしてない


店は辞めたけど、石井さんとの関係を続けるために


店で働いてるふりをしてた


体だけの関係…


割り切ってしまおう

石井さんの前では石井さんが大好きなふりを続けた。


そのおかげで、会社の取引を増やしてくれたりしてた


ある日


「なあ…川越のマンションに来いよ」


「えっ?だって奥さんが…」


「離婚するから」


びっくりした


てっきり、愛人感覚なんだとばかり思ってたから


「今の会社辞めたくない、それに辞めないにしても子供の保育園とか…色々考えると」


「なんとかなるよ」


究極の選択は続いた
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