自伝
それからは早瀬さんの望むカッコいい女とやらに近付く為にスーツ姿が多くなった。

2週間後に仙台へ出張に行く事になり、早瀬さんと2人で車で向かう事になった。

すっかり渋滞にハマってしまい、やっと中間地点辺りまで来た所で、早瀬さんは
「疲れたでしょ?少し休んでから行こうか」

そう言って、パーキングに入った。

「寒いですね…。」

「まだ、雪が残ってるんだろ。でも星が滅茶苦茶キレイだぜ!」

そう言って2人とも空を見上げた。

本当だ…。

こんなキレイな空を見たのは、初めてかも…。

冷たすぎる風が目にしみる。

「仲田!お前そう言えば、随分薄着だな~上着無いのか?」

「仙台へ行くの初めてなんで、感覚が分からなくて」

「そっか…」

そう言うと、走って自販機で、コーヒーを買って握りしめてた手をそっと差し出して

「嫌じゃなかったら暖かいよ」

全然嫌じゃない…

久しぶりになんか、ドキドキしてる…

早瀬さんは結婚してたから、そういう人を好きになっちゃいけないって、自分にカッコつけてた。

でも、気付いてた。いつもカッコよくて大人で、面白くて、素敵な女性に成るために色んなことを教えてくれた。

また…

・・恋してる・・
< 44 / 284 >

この作品をシェア

pagetop