四十六億年の記憶
三日目


 「お前なんて生まなければよかった」と言われたから、「お前のような女の許になど生まれてきたくなかった」と返した。
 殴られたのでとりあえず殴り返しておいた。


 赤く明滅する土を素手で掘り返す。
雨が降っていたから作業は随分と楽だった。
深く、広く、人ひとり埋まるくらい。
 

 ミミズが、その他にも土を食べて生きる蟲がたくさん出てきた。
気持ちが悪いとも怖いとも思わなかった。
土を食べて生きられる彼らが酷く憎らしかっただけ。


 土を食べて生きたい。どうして人間は土を食べて生きてはいけないんだろう。
ちょうどよい大きさの穴が掘れた。横たわって自分で自分に土をかけた。
どろどろの土に埋まってようやく、埋没願望はおとなしくなった。















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