王子様の秘密-下-



陽菜…

頼むから…

九条のものになるなよ…



もう少し、待っててくれないか…?




なんて、勝手だよな…


陽菜が幸せに…笑顔になれるなら、九条の所に行けばいい。

お前の笑った顔が見れれば、それでいい。



この手で、陽菜を守ってやりたかったけど…

俺にはできないらしい…




俺は鎖で繋がれた犬、かよ…




感情は留まることを知らず沸き上がる一方で、握りしめた拳は、痛みを覚えるだけだった。



,
< 88 / 165 >

この作品をシェア

pagetop