初恋町〜また、君に恋をする〜



今日で六年間居た町ともお別れ。


二度目の引っ越し。


この町では小4〜中3までを過ごした。


たくさんの思い出があり、離れるのはやっぱり寂しい。


普通の女の子らしく、友達と遊んだり、恋バナしたり、騒いだり、馬鹿やったり…。もちろん恋だってした。


たくさん、たくさん、思い出をくれた町。またお別れ。




色々な思い出に浸りながら、六年間過ごした部屋でぼんやりしていると、部屋の片隅にキラッと光るものが見えた。




何だろう…?




近くまで行ってそれを拾ってみると、それは白と黒の指輪だった。


この指輪は確か、初恋の人にもらったものだ。


これを無くしたときは、泣いて、泣いて、探し回って…。でも、見つからなくて…。




こんなところにあったんだ…。




ギュッと指輪を握りしめ、指にはめてみた。


あの頃は少し大きかった指輪も、今ではぴったりになっていた。




「私も成長したんだなあ…。」




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