かけがえのないキミへ
夫が全て悪いのではない。
幸せを保てなかった私も悪いのだ。
ごめんね…綾音。
夫は綾音を見下ろして、舌打ちをした。
『いつまでこんなもの持ってるんだ?』
こう言って、綾音が持っていたクマの人形を奪った。
綾音は背伸びをして、人形を取り返そうとする。
『お父さん!やめて!返して!それ綾音の!!』
綾音の可愛らしさ声を聞いていた私は、切なくなって、声が詰まってしまう。
体を丸めて、私は夫を睨んでいた。
すると夫は、人形を庭に向けて投げた。
『いらねぇだろ、こんな人形』
クマの人形は、ぐったりとして、地面に倒れた。綾音はそんな光景が信じられなかったのか、涙を流して夫を叩いている。小さな拳で。
『なにするの…お父さん…!!綾音の…綾音のクマさんだよ!!』
ピンク色の頬に流れる涙が、更に私の胸を苦しくさせるの。