かけがえのないキミへ


梨花は残念そうな顔を浮かべる。


『なんでぇ?』


─…今日は先生との約束があるから…



『ごめん!今日は無理なんだ!また今度ね?』


梨花の体を抱き寄せて、耳元で囁いて謝ると、梨花は案の定、すぐに許した。

もう分かってきたよ?
なんてね。


『絶対また今度だからね!』


梨花は照れているのか、怒っているのか、よく分からない表情を見せて自分の教室に戻って行った。


『怜が羨ましいよ。安田みたいな可愛い子と付き合えて』



俺は竜也に笑顔を向ける。竜也は少し戸惑った表情を見せて、上を見上げた。


『まーね?』



羨ましい?
竜也は本当に俺のことを羨ましいと思うのか?

じゃあ変わってやろうか?
お前は俺を見て、満たされていると思っているだろ?


そんなの嘘だ。
全然、満たされてなんかいない。

これっぽっちも。



< 65 / 370 >

この作品をシェア

pagetop