狼クン達のオリの中③【完】
「……っ」


その事実が悲しくて。


あたしの隣に涼がいないことが、すごく悲しくて。


あたしはソファから立ち上がり、外の景色を眺めるフリをして、目尻に浮かんだ涙をぬぐった。


楽しそうにおしゃべりするみんなに……。


……ひとりだけ背を向けて。
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