共に行く者
新しく入ってきた女の子
その女の子、仁田(にった)利実(りみ)がグループに入ってきたのは、オレが高校2年の時だった。

その頃、オレは仲の良い男女入りまじったグループの1人だった。

みんな同じクラスで、何故か気が合って、いつも一緒にいた。

でも誰かと誰かが恋人になるというのもなく、男女関わらず仲良かった。

そこへ1つ年下の仁田利実が、同じグループに入れてくれないかと言って来た。

連れて来たのは、オレの幼馴染の孝一だった。

元々は孝一がやっていた放送委員会の後輩で、彼女に頼まれたらしい。

その頃、まだグループはできたばかりで、オレ達は歓迎して、受け入れた。

利実は入った当初は、何の問題もなかった。

素直で明るく、オレ達は妹のように可愛がった。

テスト勉強を教えてほしいと言われれば、勉強を教えた。

どこかに行きたいと言われれば、みんなでプランを立てて出かけた。

困ったことがあると言われれば、力になってやった。

だが…少し甘やかし過ぎたらしい。

利実はどんどん調子に乗り、だんだんワガママになっていった。
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