ラスト・ラン 〜僕らの光〜





グラウンドを囲む新緑の芽が顔を出し、季節は夏へと移り変わろうとしていた。

いつものように何周か走り回った後、ベンチに座っている人影が見えた。

顔を見るのは、二日ぶりになる。

あの公園で青柳と別れた日以来だ。


「どこ行ってたんだよ」


斗真はペットボトルのミネラルウォーターを口に含みながら、隣に腰掛けた。


「青柳のところか?」


小さく頷いたのを横目に、やっぱりなと背伸びをしながらストレッチを始める。


「彼女、様子はどうだった?」

「…前と変わんねえな」

「そうか…」


それからストレッチを終えて、いつまでも項垂れて動かないその姿に斗真は肩で吐息をついた。「なあ、前田」
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