放課後ほけんしつ

ママの過去 〜待ち焦がれた再会〜

数日して、気になる高校生がまた来た。

毎週水曜日に来るようになっていた。

来ても、いつもロイヤルミルクティーだけ飲み、ただ小説を読んでいる。みんなが騒ごうと関係ないようだ。

ある日、ママは、カウンターに誘った。

「はい」

素直にカウンターに座り、また小説を読んでいる。

「質問していい?どこから来てるの?」

「○○駅の近くのK高校の近くです!」

「へぇ〜そう!どこの高校なの?」

「S高校です。」

「あ〜この近くの!」

「そうです!」

だんだん、慣れて来たようで、元気な声になって来た。

「そうかぁ〜ふ〜ん…」

少したったころ、用を思い出したと帰り支度を始めた。

帰り際、もう少し話したかったママは、

「そうだ!今、占い勉強してるの。生年月日聞いてもいい?」

「平成○年○月○日です。」

ドキッとした。

「わかった。ありがとう!また来たときまでに、まとめておくね!」

といいながら、ドキドキしていた。

「わかりました。ごちそうさまでした。」

と 笑って帰って行った。
< 48 / 52 >

この作品をシェア

pagetop