ヴァンパイアと秘め事を


アレンがあたしの首筋に牙をたてた。


息がかかる。

アレンの吐息は氷のように冷たかった。




「……痛いのはいやだよ、アレン」

「痛くないよ。だって、僕は美夜が好きだから」




そう言って、アレンはあたしの肩のところに顔をうずめた。




「っ…」




鈍い痛み。

でも、我慢はできた。


噛まれた首筋が熱い。



……涙が止まらない。


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