いつか、桜の下で…




新八と原田は、あれからというもの俺等に全く気を許さなくなった。




そして、10月27日…。



天皇を一番と考える尊皇攘夷派の伊東甲子太郎が新撰組に入隊した。



勿論、新撰組の中でかなりの批判があった。



だが、近藤さんが決めた以上、誰もそのことを止める事は出来ないでいた。




「やぁやぁ、伊東さん!これから、共に頑張っていこうじゃないかっ!」




気分がいい近藤さんとは、裏腹に俺は、伊東さんに警戒心だけを持っていた。





今、新撰組が京都から消えたら、攘夷の奴らが将軍を落とすことも容易になるからだ。




それに今は、沖田も平助も戦闘出来ない。



新八と原田もまともに力を貸してくれるかもわからない現状だ。




隊長で、頼りになると言えば、斎藤と山南さん、あとは香織くらいになっていた。






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