いつか、桜の下で…



「山南さんは、私が幸せになるようにって、伊東さんに対する策を沢山提案してくれた…。
でも、頭のいい伊東さんなら、すぐに気付いちゃうようなことばったかりだったの」



二人は、喋らなくなった。



「そしたら、山南さんが最後に私を誰かが殺せばいい。って辛そうに言ってくれた。それが、私の求める答えに近いって」



「私がそれを望むなら、山南さんは、自分が罪を背負うっていってくれた。…私は、山南さんに甘えたの」






…これが、真実…。


香織さんが、死んだ理由。




これを話せば、二人が離れてくことなんか、目に見えてる。


香織さんも、私と同じように思ってたから。




「……じゃあね」




私は、屋上を出ようとした。




その時、手を掴まれた。



「逃げないで」




振り向くと、三浦君がいる。



「俺達は、幸村さんから逃げないよ」





三浦君は、今までで一番真剣な目をしていた。



利人君も頷く。



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