いつか、桜の下で…





「ここ」




三浦君に連れて来られたのは、大きな木が集中して植えられているところ。




「ここ?」




私は、戸惑いながら、そう聞いた。



どう考えても、こんなところに人気は無かったから。




それでも、三浦君は頷いた。




「季節はずれの蕾は、花を咲かせることなく、枯れてゆく」





「三浦、君?」




一本の木に寄り添いながら、三浦君はそう呟いた。



また、三浦君じゃない感覚が脳裏を過ぎる。




「新撰組は、その蕾だったらよかったのに。激動に塗れ、狂い咲けばよかったのに」




「…………ねぇ…貴方は、誰なの?」




葉がなにもついていない木の枝をじっと見つめる三浦く…いや、男の人に私は、そう問う。




そうすると、何のためらいもなく、ただ、意地悪な瞳で私を見つめていた。




「焦らないでも、もうすぐ、皆くるから」





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