魔王に捧げる物語


隙間からそっと外を覗くと、まだ早朝なのか閑散としていた。


そこへ、いつも少女のそばに来る黒い小さな鳥がチクチクと可愛らしい鳴き声で来た事を主張した。



それに微笑みかけて挨拶する、


「おはよう、今日も来てくれたんだね」


そっと手を近づけると、小さな羽をばたつかせて、餌をねだるようにつんつんとつついた。


「何もなくてごめんね、パンを貰ったらおいておくね」



理解したのかは不明だがチクチクと鳴くと、思わず笑みが浮かぶ。



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