ラブシチュエーションアイツが弟?
「透~っ! すげー、点とったぁ! ビッグチャンス到来っ」

突然、リビングから大和が大きな声をあげる。

さっきテレビで野球中継してたからね……。

好きなチーム負けてたし、みんなちょっとテンション下がりぎみだったから。

透も大和も、野球が好きみたい。

大和の声にピクリと反応する透。




「行って来たら? 缶切りしとく~」

「マジ? じゃ、ちょっとごめんな」

って、透はリビングに走って行った。

そして、リビングで男子の盛りあがる声が聞こえてくる。




よしよし、今のうちに。

缶切りを手に持ち、缶にグサッとさした。

手間か?

……ん。なんかウマくできない。

力いるな……コレ。

――ブシュッ!

うおぉう。

缶にさした途端、パイナップルの汁が飛び散った。

開けにくいよ~。

こんなコトなら、普段からお手伝いしとくんだった……。

情けない。







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