ラブシチュエーションアイツが弟?
本を棚に直し、本屋を出た。

あ~あ、ひとりってつまんないな。

なんで今までヘーキだったんだろ。



商店街をしばらく行くと、うしろからベルを鳴らされた。

――チリン!

あ、知り合いかな?

うしろを振り向くと、そこにいたのは。



「おまえなにやってんの?」

うわ、大和。

しかもデートって言ってたくせして、ひとりじゃん。

「なにって……商店街見学してただけ」

「ヒマ人か!」

悪いけど、ヒマ人だよ!

別にやるコトないし……。



フイッとそっぽ向いて歩こうとすると、大和が追いかけてきた。

「うしろ乗れって」

「は? デートなんでしょ?」

「デートは、お前とする」

……は?


< 312 / 533 >

この作品をシェア

pagetop