ラブシチュエーションアイツが弟?
「んなの、できるわけないし」

「どうして? お兄ちゃん。水沢さんにできて、なんで私にできないのよ……」

「水沢と……明梨は、違う」

「イヤっ! 絶対、するから。動いたら……殺す」



殺すとか……

そんな最悪の言葉が、

明梨の口から出て来たコト自体が恐ろしかった。

悲しくて……動けなくなった。

「キスしたら……お兄ちゃんだって、気が変わるかも」



そう言って、明梨はオレに無理やり唇を合わせようとしてきた。

だけど……

オレの中では、明梨とそういう関係にはなりたくないっていう思いがあって。

ずっとひとりっ子で、兄弟が欲しかった。

せっかくできた妹を、こんな形で汚すのかって、思って耐えられなくなった。




その時がもう……

我慢の、限界だった。







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