ラブシチュエーションアイツが弟?
たくさんの想い出を
栗田くんが去ったあと、ふたりで2階の教室に行ってみる。


「なんか……思ってたのと全然違う。あの頃は暗くて嫌なイメージしかなかったのに、教室明るいな」


「でしょーっ!心の中に閉じ込めてちゃダメだよ。今度から教室を思い出すときは、私の顔も一緒に思い出してね!」


「おー。……じゃ、ちょっとそこ立ってて」


え?立つって?


透に窓辺を指さされ、キョトンと立ちすくむ私。


「写真、撮るから」


「えっ!!そんな、私だけ?」


「オレもとなり行く」


そう言って、透は私の真横に並んだ。


窓によっかかって、私の右肩と、透の腕がピタリとくっつく。


「透……逆光になんない?」


「なんでもいーよ。小堀と、想い出作りたい」


ひゃ。想い出……ね。うんうん、私も作りたいよ。


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