¥時給1000万円
「……こ…ここは……」

大島が明かりを点けた。


そこは他の部屋と比べると異室だった。

まるで工場などの会社にあるようなキレイな休憩所…市販でも売られているカップラーメンやドリンクなどの自動販売機、ピカピカに磨かれたテーブルに銀色に輝くパイプ椅子、そして客と同じ食事ができる食券販売機があった。

どうやらこの時間でも厨房はやっているらしい。仕事場と同じように厨房との窓口があり、その先からも光が差し込んでいた。

「……どうだ、永井!…いいとこだろ…!」
「…お…おう!」


今まであちこちに汚れが目立つ部屋ばかりだったが、ここはキレイな部屋だけに落ち着いた。





とりあえず無難にカップラーメンを食べようと自販の前に立つ…


……ん?


永井が何かに気付く…

「……なぁ…大島…」
「…なんだ?」
「……これ…金入れるとこねぇぞ…!」
永井が言うようにその自動販売機どころか他の自販機・食券機にはお金を入れるところが全くなかった。

「……あぁ…!…そういえばまだ言ってなかったな………ボタン押せば出てくっから…!…ここにあるもの全部タダなんだ…!」
「……え!?」
試しに今食べたかったきつねうどんのカップラーメンのボタンを押してみた……


………ガタンッ

「…まじかよ!?」
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