¥時給1000万円
結局3時間しか寝れず朝は遅刻ギリギリの電車で登校することとなった。

それでも疲れなど感じなかった。だがまだ面接に受かっていないことを時々思い起こしては、今日何を言おうか考え気持ちを整理しといた。

授業中はなぜかいつも以上に集中できて、いつも以上に理解できた。
「それじゃあ…永井っ!」
「…は…はい。」
「…クククッ…あいつまた面白い答え出すぜっ!」
クラスメイトが冷やかす。
「…前回の復習だがこのラプラス変換はいくつか計算してください。先週配ったラプラス変換表を使って求めてください。」

そういうと先生はチョークを差し出した。黒板に書けということらしい。
「…はい…。」
クラスの視線が自分に集まっていた。明らかに笑う準備ができているかの表情をしていた。

…ったく…。

黒板にはF(s)=(s+3)/(s^2+3s+2)と書かれていた。以前まではこれを一生懸命このまま割り算をしていた。ラプラス変換だと促されても分からなかった。
『ラプラス』が『らぷらす』になって頭の中をさまよっていた。

まず分母を因数分解してみると(s+2)(s+1)になる。
次にそれぞれを分母とした部分分数分解をする。分子をそれぞれC1とC2としてその時の通分よりC1は−1、C2は2となるからF(s)=(−1)/(s+2) + 2/(s+1)。よってあとはラプラス変換表よりf(s)=e^2t + 2e^-t が求まった。
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