涙の雨

上手くはぐらかされてるなって心で思いながらも


愛の言葉を聞けた事が

やっぱり嬉しくてたまらない俺




「約束して下さいよ?俺に嘘はつかないって。もし破ったら、俺が尚輝さん振っちゃいますから」



少し冗談っぽく言うと



遼太ってキレたら怖そうと
笑いながら望月が言った












キスをしても

体を重ねていても


何をしていても





俺はやっぱり
尚輝さんじゃないと駄目なんだって


つくづく感じた




山田の事は気になる



だけど自分の気持ちが

望月に向いてしまっていて



最後の方は考える余裕すらなくて

俺は望月の広い背中に腕を回しながら


快楽を全身で感じていた





気持ちがよくて


ずっとこのままでいたいと

心の中で思っていた






また明日から


普通の教師と生徒に戻る現実





ほんの一時の間だけど


大好きな人といられる事が



こんなに嬉しいのに


こんなに寂しいなんて…




幸せと不安って

背中合わせなんだなって





改めて思った
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