涙の雨
「ハァ~」


俺が教室で大きな溜め息をついていると

賢二が近寄ってきた


「どうしたんだよ遼太。お前が溜め息なんて、珍しいじゃんか」

「ん…ちょっとね…」



自分の席に座り

頬杖つきながらまた溜め息出すと


突然、なぁなぁ!と言って賢二が再び声をかけてきた




「今度、先輩が女紹介してくれるって!遼太も欲しいだろ!?」


中三ぐらいになると、周りの友達が女に興味を持ち始め


彼女が出来たとか合コンしたとかなど

色々な情報が耳に入ってきた




「俺はまだいいや~」


俺はいつもそうやって断っていた



もちろん自分に“彼氏”がいるなんて

誰も知るはずがない





「またかよ~!遼太の写真見せたら、みんな会いたいって女がたがって来るんだぜ~」

「お前、また写真見せたのかよ!?」



賢二がどうしてもと言うから

嫌だったけど
写真を一枚撮らせてあげたんだ



「見せるだけなら、別にいいじゃね~かよ~!遼太って器が小さいな~」

「そういう問題じゃねーだろって!」



俺が怒り口調で言うと

賢二は笑いながら逃げていった
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