インスタントラブ~甘くて切ない一目惚れの恋~
その要件は、
あぁ、
やっぱりね、
ってかんじだったけど、

そんなんでも
正直うれしかった



からからに乾いたのどには、

たとえ
それがぬるくても、
またどんな飲み物でも

ありがたい。



「あぁ、俺だけど。ひかり、そっちに来てない?」



たけるが
挨拶もなしにいった。



「いや、来てないけど」



「そっかぁ、それじゃ……」



それだけでいうと、
たけるはもう電話を切りそうな勢いだったんで、

あたしは
あわてて言葉を探した。



「え?てか、どうしたんですか?」



「まだ帰ってないんだよ」



「えっと、今日ってたしか……」



「一日塾なんだけど、大概この時間には帰ってくるからさ」



そうだった。



今日、
土曜日は塾の日。



「連絡ないんですか?」



「それがケータイ忘れてったもんだからさ」



「そうなんですかぁ……それは心配ですね」



「心配?」
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