インスタントラブ~甘くて切ない一目惚れの恋~

最終章/第5節  愛は狂おしいもの

足音。



カツカツカツ。



アスファルトを
蹴るような靴音。



だれかが後ろから
足早に近づいてくる。



大通りから外れた
片側一車線の細い道。



たまに
車が通るくらいで、
歩いている人は
まだ見たことがなかった。



おかしい。



それに、
このただならぬ
気配は……。



振り返った。



「あっ……」



思わず声が出た。



それくらいビックリ。



いや、ゾッとした。



その形相。



異様なまでに
目は吊りあがり、
口の端が左右非対称に
歪んでる。



それに寝てないのか、
目の下には大きな隈を作り、
病的に青白い顔をしてた。



それはもうイケメンてかんじじゃない。



てか、
それ以前。



なにかに取りつかれたような顔してた。
< 380 / 417 >

この作品をシェア

pagetop