インスタントラブ~甘くて切ない一目惚れの恋~
強がってはみせたけど、
胸はズキズキ、
腹はキリキリしてた。



わざわざ
ここまで追ってきて、
それでなにもせずに

おめおめと帰っていくとは考えにくい。



嫌な予感がしていた。



最初、
その顔を見たときから……



「俺をこけにしやがって。もう許さねえぞ。覚悟しろよ」



極度の興奮のためか、
その声が上ずってた。



その直後、
怒声がした。



「ぬぅぉ~~~!!!」



思わず、
振り返った。



その狂気に
ゆがんだ顔。



いや、
それより右手。




白いものが光ってる。




ナイフ。



そうだとわかっても
咄嗟のことで動けない。



恐怖が
体の自由を奪ってた。



もう目の前に迫ってた。




たける。



いや、悪魔!
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