駝鳥とリンドブルム
「嫌がらせはされてないけど、親が、さ…」

「…親が?」



そういえば、駆はうちの親が苦手なんだっけ。



「記録を期待してるらしくてさ。ビタミン剤を送りつけてきたよ」

「…会いには?」

「来てない。メモ書きと電話だけ」

「そうか…」



駆は俯いた。



「翔子」

「なに?」

「お前は、飛べる」

「…うん」

「…気に入らねぇ」



…それはまだ、駆のコンプレックスなのかな。



「…ごめん。贅沢だよね、親の悩みとか…」

「違う」

「え?」

「気に入らねぇ」

「駆?」





「お前は、誰のために飛ぶんだよ?」


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