真実の笑顔。
「私、好きな人いる。」















「・・・そか」














伊集院は気まずそうにうつむいた。















「もう、会えないけど・・・・好きなんだ。その人のこと。私の前から消えちゃったけど・・・その人が私の心の中にいる以上、誰のことも好きになる気はない。・・・高橋君のことも好きにならない。好きに、なれないんだ。」
















伊集院は顔を上げて真剣な表情でそういった。
















「じゃぁ、この先・・・お前の中にそいつがいなくなんなかったら・・・」


















伊集院は、口元を少し緩めて

















「うん。誰のことも好きにならない」
















そう、言い切った。













泣きそうな笑顔で・・・。









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