告白[短編集]
混んできたなと思ったら、

「綾。」


優しく呼ぶ声に誘われながら、腕の中へ。


望の腕の中。


私を守る望。


平気だよ、私。


嫌な記憶はあるけど、望がいれば平気なの。


この気持ち、なんて言っていいかわからないよ。


私は腕を強くまわして、顔を胸にすりつける。


「どうしたの綾?
そんなことしたら、俺狼になっちゃうよ。」


クスクスと笑いながら話す望。


もう、またふざけてる。


ふざけるのが好きな望。


こうやっていつもからかわれる。


でも、からかわれるままじゃ私もいない。


「望なら、いつでも私限定で狼になっていいの。
私以外、狼になっちゃだめだよ。」


上目遣いで言ってやる。


あっ望、顔真っ赤。


参ったか。
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