100万粒の涙。⊹.*

「…彩夏?」
祐樹の優しい声が聞こえてくる
「どないしたん?」
「大丈夫か?」
「彩夏?」

「…ねぇ。
…死んじゃったら何処行くのかな?」

あたしの言葉で、みんなが静かになった
風の音が聞こえる。

「…天国だろ」
祐樹が落ち着いた声で言った

天国…か。

「…天国ってさ、広いのかな?」
「……広いやろ」
大輔の声がする

広いんだ…。

「…フワフワのベット…あるかな?」
「……きっとあるよ」
涼の声がする

…だったら、よく寝れるね。

「…じゃあ、幸せだね」
「……そうやな」
祥の声も聞こえる

あたしの目から涙が溢れてくる

「…みんな。大好きだからね」
「……ん。知ってる」
祐樹のか細い声が聞こえた

「…さーちんは1人じゃない。
……しばらくの間、放れるだけなんだよ?
俺らと、また…会えるじゃん」
陸の声がした

「……しばらくのお別れ…」
「…うん。
俺らとまた会えるんだからさっ!」

「…そだね。
それまで、あたしの事、忘れないでね」
あたしは振り向いて微笑んだ


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