永遠のブランコ

落ち込んでいると、隣の席のヒロトが話しかけてきた。


「ねぇねぇ、あいつだれ?」


「あーあいつ?
うちの幼なじみの、颯ってゆーの。ひゅうがそうね。」


「日向颯…
か…。」


そう言って、少し顔をゆるませた。


「なんで?
もしかして、好きになっちゃった?

あっでも、あいつ男だからねっ!」


真剣に聞いたつもりなのにすぐにつっこみがはいった。

「バカかっつーの。
おれにも、それぐらい見分け付くわっ!」


「じゃなんで?」


「べつに。
友達になりたかっただけ」


「じゃあ、颯に言っとくね!」


「お…おう。」


そのときのヒロトの顔は少しひきつっていた。


キーンコーンカーンコーン…
キーンコーンカーンコーン…



ガラッ。

「おはよう。みんないるか?」


いきなり入ってきて話し出すもんだから、とても教室内が静かになった。

「私は、このクラスの担任をつとめる、もり…

ガラガラッ!


はっ!と、クラスメイト全員がドアへと視線を移した。


「おっおい!君っ遅刻だぞっ!
名前はなんだ?」


ドスッ


ドスッ


ドサッ


ドカッ。


いきなり入ってきた人は何にも言わずに空いている席に座った。


「おまえ、もしかして…転校生か?」
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