月の恋人


答えの出ないまま
窓越しに、外を見ると

強烈な陽射しが
行き交う人々を照らし出して、地面に濃い影を作っていた。



(…人が、多いなぁ)


駅前の繁華街は
夏休み中の中学生や高校生で溢れかえっていた。











―――その中に

燦然と輝く金色が、ひとつ。



強烈に、あたしの視線を奪って行った。





「…………え?」






あの金髪は…………





「………翔くんっ!?」




思わず立ち上がって叫んだあたしを、

トイレから戻ってきた亜美がびっくりした顔で見詰めていた。




―――――――――――――――――――――――――――…





< 145 / 451 >

この作品をシェア

pagetop