不器用男子
 桜ちゃんの言ってること…嘘だよね?


 もし、ホントだったとしたら…考えたくない。


 家に帰ってベッドに座って考え込む。



「ひなみちゃん? どうした?」

 急にした声に驚いた。


「パパ…ノックぐらいしてよ…。」

 新しいパパのことはもうパパと言えるようになった。

「ノックしたぞ? …何をそんなに考えてるんだい?」


「…ちょっとね…」

「パパには話せないこと? 話しぐらい聞いてやるぞ?」


 パパに相談か…。


「…うん。 あのね…」


 私はパパに桜ちゃんのことと桜ちゃんが言ったことを話した。


 嘘だとは思ってるけど、心配。


 私は千隼を信じきれてないの?



「…そうか。 パパはな千隼君がそんなことをする人には見えない。 だからって桜ちゃんが嘘をついてるとも信じくないな。」


 …うん。


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