不器用男子
重い瞼をゆっくり開けるとそこは真っ暗。


「…あの世逝っちゃった…?」


 もうあきらめかけていたとき、パッと灯りがついた。


「え?」



 あたりを見渡すと、あの世どころではない…大量のフィギアにアニメキャラのポスター…それにものすごい数の少女マンガとゲームソフト。




 何ここ…?



 ちょっとヤバい感じのお部屋ですね。



 自分の置かれている状況をよくわからず、立ち上がろうとした。



 ――――ズテッ



 足が絡まり、こけた…。



 足が一つになったにみたいにくっついてる感じがする。



 ゆっくりと足を見下ろすと、ひとつに縛られてる!?


 …ついでに手も…。



「気がついたぁ~? ひなみちゃ~ん。」


 急に聞こえた声に肩がビクッとなった。


 ゆっくり後ろを見ると、入口付近に立っている人影がゆっくりこっちに歩いてくる。




 それは…凌君に気をつけろと言われた……山田君だった。


「…こっ、来ないで!!!」

「ひどいなぁ…、倒れているひなみちゃんを見つけたのは僕なのにぃ~♪」


 
 鼻息が荒く、口でも息をしている山田君。


 …気持ち悪い。

 ヤダっ!!

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