不器用男子

 二言めずらしくいった…。


「うん。 私のおじさんがここの管理人なの。 転校してきたから家なくてさー、おじさんに頼んでひと部屋借りたの。」






 ここは男子しか入っちゃいけない男子寮。



 寮って言っても虹野高校のじゃなくておじさんが普通に経営してるところ。


 だから、フリーターの人や大学生もいるんだって。



「あっそ。」

 
 この人が聞いてきたのにあっそって…。


 無愛想だなぁ。



「そういえば名前聞いてなかったよね…?」

「…木下 千隼(きのした ちはや)」



「木下君かぁ…仲良くしようねっ!」



 そういうと一瞬笑ってすたすたと歩いて行った。



「笑った…。」




 寮の中に入るとおじさんが来た。



「やぁ ひなみちゃん!! 今日からよろしくね~。ひなみちゃんは…103号室!! あと家事をしてくれると助かるんだけど…いいかな?」



「もちろん!!」

「いやぁ!!男の子はどうもね そういうのうまくないんだよ!女の子は違うねー!!」

 そういって私に鍵だけ渡すと歩いて行った。


 タダですまわしてもらうんだから文句は言えないし家事は好きだし!!



 
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