甘い夜の、願い事。
もっともっと桃に触れたくて、桃を感じたくて、こんなことイケナイと思いながらも、手は止まってくれない。
「お兄ちゃん、やめ…あっ。」
「楓。ふたりでいる時は名前で呼べ。言っただろ?彼女の代わりだって。」
「……っ。」
わざとそんなことを言うと、眉を垂らして桃の目が潤んだ。
可愛すぎる。
「…言って?」
「………。」
今度は優しく言うと、少しだけ顔が赤くなった。
桃、兄としてじゃなくて、ちゃんと俺を男だと感じて。