お兄ちゃんは危険な××!

「わかんないよぉ、違いなんて」


ガラッ


「優絵!」


突然教室のドアが開き、私の名前が呼ばれて驚いた。


「おおお兄ちゃん!?」


そこにはユニフォーム姿のままのお兄ちゃんが、息を切らして立っていた。

なんだかかなり焦っているみたい。


「どうしたの?何か忘れ物でも―――」


「二井!二井来なかったか!?」


私はへ?と間の抜けた声を出した。


二井くん?


「や……来てないと思うけど。誰も教室に入って来なかったし…ねぇ?」


日菜子を振り返ると、こくこくと頷き返された。


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