お兄ちゃんは危険な××!



私のお兄ちゃんは



危険。











私の部屋の隣には、お兄ちゃんの部屋がある。



壁一枚隔てた隣の部屋から夜な夜な聞こえてくるのは、何やら怪しげな音。


私は毎晩布団に体を埋めて、震えながらその音を聞く。



ギシ……ギシ…



何かが軋む音がする。


短く高い、女の声のようなものも聞こえる、気がする。




カツンッ……




しばらくしてから、軋む音も女の声も止まって、何の音やら不明な音が静かな空間に響き渡った。


「………」



ごくり、と唾を呑んで固まっていると、キィと音がしてお兄ちゃんの部屋の扉が開けられたのだとわかった。



ヒタ…ヒタ、と廊下を歩いて―――




来る………!




そう思った瞬間、私はカッと目を見開き、布団の中に深く潜ってフルフルと震えた。


そうしている間にも足音はどんどん近づいて――



ガチャ

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