お兄ちゃんは危険な××!
私の頭が、それが何であるのかを理解すると、体が勝手にごくりと唾を飲んだ。
うそでしょ!
「っ、やだ!やだやだ~っ!」
私は首を押さえられているのも構わずに、全力で逃げようと体を捻った。
「逃がすか」
お兄ちゃんは暴れる私を更に押さえこむ。
何この人!
妹を何だと思ってんの!?
「ちょっと、いい加減にっ」
カチッ
して、という私の声は喉から出てこなかった。
「優絵が悪いんだよ」
絶望しながら、上から降ってくるお兄ちゃんの声をなす術もなく聞いた。
ああ、私―――
次の瞬間私を襲ったものは、軽い静電気のようなピリピリとした痛みだった。