【短編】冷たい彼氏
「お前何言ってんの?別れたいの?」
「ちがう!別れたくないよ…でも、龍平が」
「お前何にも分かってねーな」
何にも分かってない?
何を?
「俺が、お前のことどう思ってるか分かってねーだろ?」
「わかんないよ、そんなの。分かるわけないじゃん!」
わかるわけないよ。
だって龍平、いつもポーカーフェイスなんだもん。
何にも、分からないよ。
「だから?」
「え?」
「だから、わざと?」
へ?何のこと?
あたしがキョトンとすると、龍平ははぁーとため息をついた。
「さっき、あの男といたのってわざと?」
あの男?
えーっと、あ!