誓いの言葉・高校編


「徹、俺から説明しても良いか?」


「あぁ」


「じゃあ…省吾君、瞳ちゃん…まずは事件が起きた原因となる倉田の事を話したい。

俺の先輩が当時追っていた事件で倉田の生い立ちや、葛西医師と揉める原因について紙面には出ていない事がこの取材ノートに書いてある。

俺はこの話を、当時の徹にも実は伝えなかったんだ…
当時の事は徹はもちろん俺達にもかなりショックな事だった

やり切れ無くて…まだ若い徹には犯人が捕まり犯人を憎む事で立って居られた状況だったんだ

そして、瞳ちゃんや由美ちゃんの存在が徹を立ち直らせた事も事実…

憎むべき倉田の事を理解する事で…この事件が仕方なかった…なんて思いたくもなかったしね。

けれど、今起きている事が当時の倉田の背景にも関わりがあるので今話をしたい。

誤解しないでね?倉田を許そうだとか、理解しようだなんて思っていない。
ただ、何があったかを知る
それだけだからね」


私は、ゆっくり呼吸をして

「わかりました」
と返事をした。
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