キミを待っている
寒くなってきて、外も暗くなるのが早い。
「……ふう」
雪城さんは慣れないことをして疲れているようだった。
もうそろそろ帰りの時間だろう。
僕が部長だから、僕は部全体に指示しなくちゃならない。
「今日はこれから自由解散。あんまり遅くならないように」
パソコン部は一斉に終わるより作業がキリのいいところまで進んでから終わったほうが気分がいい。
だから僕は自由解散の制度を取り入れた。
「雪城さんは初日だし、今日はこれくらいにしておこうか」
「はい。……お疲れ様でした」
「うん、お疲れ様。……雪城さんは何で帰るの?」
思わずそんなことを聞いてしまった。
直感的に暗い中女の子を一人で帰らせるのは気が進まなかったからだろう。
「私は海の方にバスで帰ります」
お、僕と一緒の方向だ。都合がいい。
「じゃ、送っていくよ」
「べ、別にそこまでしていただかなくても」
「まあ、そういうものだからさ。家、近い?」
こういうのは下心があると勘違いされないように、気さくに話しかけるものだろう。
「はい。でも、藤沢さんは自分の活動を何をしていません。よろしいんですか?」
そういうのは生徒会が忙しくなってすでに諦めている。
「別に家でやるし……雪城さんにいろいろ教えているのも楽しいよ」
ちょっとナンパっぽくないだろうか。
「その、ありがとうございます」
雪城さんに頭を下げられた。