ホイッスル


「悠(ゆう)!!」

詩良がこっちに走って来た。


「あたし、今度試合
出させてもらえるんだ☆
頑張ったかいあったよ。

さっき先生に呼ばれて
行ってきたんだ!!」


「そっか!良かったね。
私の分も頑張って。」


応援するつもりは、あまりなかった。

悔しくて喜べなかった。


それから、練習する気がなくなった。

「…さん」

「…山さん」

「栗山さん!」


「…え?」

「何ぼーっとしてんの?
先生読んでるよ。」


私は、キャプテンの
山野先輩に言われて、
先生のいる教官室に向かった。
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