ハルシオンと夏の日
「いい、おっぱいだ…」
夜になると決まってあいつがやってくる。
どう過ごしたらいいかわからない毎日を
あたしは勉強して過ごした。
毎日夜の8時から夜中の2時まで
眠らないことはつらくなかった。
朝が来ることのほうがよっぽど辛かった。
「俺がここまで大きくしたんだぞ…ん?」


毎日毎日毎日毎日
こんな夜
こんな夜
こんな夜
慣れろ慣れろ慣れろ
泣いたって明日はやってくるんだ。



朝起きると涙の跡があった。
あたしは夢の中でも居場所がなかった。
朝も夜も学校も家も
あたしの居場所なんてどこにもなかった。
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