桜舞う木の下で

あまりにも悲しそうな表情で俺に問い掛ける。
麻衣ちゃんの家庭教師になる、それは、俺にとってメリットがあった。
もしかしたら、記憶が戻るかもしれない。
もしかしたら、好きな人が分かるかもしれない。
そう、思ったから。


「まだ記憶は…」
「そっか…」


麻衣ちゃんにとって、俺がどんな存在だったのか。
俺がどんなに必要不可欠な人物だったのか。
俺には分からない。
けど、身近な人の記憶が無くなるのは辛いと思う。
だからこそ、早く取り戻したい。

俺の昔の記憶を…
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