桜舞う木の下で


「瀬川先生…もし、親に認められなかったら…」
「全て捨ててこっちに来るよ。」


何度も考えた。
認められなかったら…って。
そしたらそれでもいい。
全て捨てる。
親に縁切られたっていい。
大袈裟かもしれないけど俺が生まれた時に与えられた物は…愛美を幸せにする事だと思う。
生きてる間に精一杯愛す事だと思う。


「それほど、西川が大事って事っすよね…。俺は、瀬川先生みたいにはなれないっすよ。」
「え…?」


どんなに愛してても離れちゃうと思いますよ…って笑う隆祐の顔は、男の俺ですらドキッっとした。


< 169 / 215 >

この作品をシェア

pagetop