桜舞う木の下で


「優人…。」
「…迎えに来た。」


私の頬には止める事が出来ない涙が伝っていく。


「遅い…」
「悪かった…卒業おめでとう。」


そう言って、私に近寄ってきて、今までに無いくらい優しく受け止めてくれた。


「愛美…俺さ…」
「うん…」


なんか…振られちゃうのかな?って思っちゃう気がして…。そんな事考え出すと、また止まらなくなる涙。


「…家捨ててきた。」
「…」
「俺にはお前しかいないから…手放したくないから。」
「…ありがとう…」


家を捨ててまで私を迎えに来てくれた優人。
抜け殻だった私を最後まで必要としてくれた優人。


「…結婚してくれ…」


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